かたち惑星0916

地面に落ちた青葉を掌に載せて愛でることが可能な星の話

名物なるわ

学問の徒さんが凄まじく楽器持ってるし人多しで、あっ、あれなんだったっけなぁ。たしかしゃぼん玉。原理は知らずに世界を強引に絵の具で塗り潰す風、風がそのものを半ば拒否する私のもとへ降り注ぐ。
二階広い部屋に篭り外とつながる窓から眺める。聴く。触れられない。音符もしゃぼん玉も吹き矢も免罪符もポスターもいろいろなものが色を失い枯れた水を描きながら更に進んでいく風とともに。
全てである。触れれば、消える。あれは手で触れられない。人の手により為された全て、風に乗ることが可能な彼ら、人には乗れないからこそ、私が触れれば消える。
子供が春に命を預けた田んぼをかけていく。手には棒を携えた網。
「大人の言葉を拾っているのよ」
私だけに見える、誰の心にも住んでいる中原岬嬢が青く雲がぷかぷか浮かぶ空で呟いた。
中原岬嬢が言わずとも私も昔は、この町で年の中を進行する子供、1996年から一年一年、大人の言葉を拾っていきてきた。
大人の言葉の拾いかた、そんなものを教えなくても、一年に区切られた結晶の中で、延々と、誰が言うこともなく、棒を携えた網で子供は声を拾い続ける。
大人はこの町に居ますか。子供は私を大人と言います。子供は私を大人とは思えないと言います。私は大人とは何であるのかよくわかりません。私の拾っていた言葉とは何であったのでしょうか、大体からにして、一年と一年、移り変われられない私たち、それでも来年の私も、去年の私も延々に鼓動し続けている。今の私が鼓動していることと同義で。
『私は服を着ています。歯ブラシをします。飯を食います。風呂に入ります。自慰をします。サボります。本を読みます。音楽を聴きます。歩行します。漕ぎます。会話します。唾を吐きます。足蹴にします。見下します。戸惑います。無言です。叫びます。横になります。夢をみます。悲しくなります。自殺したくなります。矛盾します。やろうとします。意欲を失います。母の飯を食います。お金をおろします。お金を払いません。予約を取り消します。無下にします。空を見ます。こけます。本を投げます。髪を切ります。羞恥心を抱きます。高潔を望みます。働きません。学びません。歌いません。踊りません。動きません。呟きます。記入します。』
肉体に、手と足と頭と顔と尻と性器と背中と。内臓を忘れても、私は呼吸を忘れていない。
2009年とか2012年の友とともに網や竿を使っていたことを思い出す。
笑われるし、蔑まされることを怖れるし。そんなの嫌やし、離れたわ。
近づかないようにしてるわ。
今の区切り、2017年の区切りでやれることせななぁ。
2018年の区切りに入ったような錯覚、もうすぐやし。
私は私に拾ったもんでやらな、あかんわなぁ。
そう思うわ。
だから、窓開けて、寒いけれど。
有るんだよ、昔使っていたもんやけれど。
リコーダー。
ぴこぴこ吹いとくわ。
名物なるわ
田舎のね