かたち惑星0916

地面に落ちた青葉を掌に載せて愛でることが可能な星の話

30分間の出来事

12月に森が秋
秋といえば9,10,11
12月が未だに秋なんて
家の中でも上着を着なければならない
白い吐息が外では似合う
私は勘違いをしていたのか
12月はまだ秋だったのか
そういえば9月の後半なんて夏ばりに暑い
季節感の調整を行わなければなぁ
朝、日曜日、自宅の私
母の声が聞こえる
私は出かける用がある
私は寝ていていいように思う
生まれてこのかたどこかへ行こうなんて似合わない
私はいつもこのままベットに横になっていれば
これ以上を望んでいなくて
いつも辿り着いてからよかったねと思う
成長しない
この感覚は殺されていない
例えば殺されるとき
大切なものと大事なもの
どちらにも当て嵌まらないこの感覚を護るために
私は引き篭もったんだけれど
いつか他人になった私が私を殺すんだろう
本当に何気なく
真綿で締め付けるように
儀式的に
呪術的に
殺すんだろう
私はその為に
呪いの言葉を幾つも呟いておく
殺せ
殺しても
赦そう
電車の時間はあと13分
田舎じゃ一つ乗り過ごすと大変
金がないからって言い訳で
私の持っているズボンは中学からのジャージだけ
その全てに穴が空いている
ちょっと気に病みながら履いている
貧困って嫌だな
こうしてどんどん全てが貧しくなっていく
貧しくなるのは嫌だ
通り過ぎる鏡にて自分の顔をみて

別に髭なんて構わないけれど
気になってしまう
生え方が疎ら
疎らって汚なたらっしい
時間はないけれど
祖父の髭剃りで髭を剃り
走って走って
母の鏡に掛かった自転車の鍵を取って
家を出た
外は寒い
中以上に
行ってきます
その声もなく玄関は閉まっていく
しばらくの間この家に僕はいなかった
僕はどこにいったんだろう
そんな呟きは聞こえない
自転車を漕いで誰ともすれ違わずに
何年も会っていない同級生の自宅や
顔見知りの子供達の家を通過していって
信号なんか無視して
一定のペースで漕ぐことを意識しながら
自らが決まっていることを意識しながら
漕いでいけば
辿り着いた
電車の姿も
踏切も
気配がない
私はすぐさま自転車を無料の駐車場に停めて
この時間帯に遭遇するおじさんを通過して
私は切符を買う
無人
切符用の機械がない改札の上
刻々と進む掛け時計を見ると
あと2分
よく間に合った
今日はまぁ充分だろう
その時はそう思ったんだけれど
残念ながら
自転車の鍵や電車の切符が何故か紛失した
でもその後を知らない私はそう思ったね
それでいいと思うよ
それが人生だろう
知らんけど