かたち惑星0916

地面に落ちた青葉を掌に載せて愛でることが可能な星の話

生活の大地で

自分は一体何処で暮らしている、いたのかを考える
誰も訪れない鼓動しない沼の泡のような思考
理由なんてないのに外に出てしまい、余りに何もないから、三十分の谷を越えた、小学校、最後の一年に通った、通りかかる
「キーンコーンカーンコーン」
「ガタガタガタガタガタ」
「がやがやがや」
一本の白糸に瞼を得た小学校内の生命は毎日を胸の中に抱えている
最初の五年間は鼓動を失った校舎に置いてきた
私の最後の一年は目の前の校舎が生き続ける限り死なないように思う
私は目の前の小学校から離れていく森に囲まれた車道脇を進んでいく
(人が居たのか、私は流されることに懸命なボート、魚が船底を撫でてくれるから、満足して、魚の感覚を失っても、流され続けるボート、濃い霧の中で)
涙は流れない。私の生涯に涙はない
涙があったならば、一体どのような人間だっただろう
二、三時間目間の二十分休み。介護施設になった地面の下で、騒がしいグラウンドの雰囲気に混じって、散歩をしていた時期、小学三年生の五、六月
最初は一人だった。途中からこの地域には珍しい転校生、春風に乗ってきたみかんの国からの彼と会話でもしながら楽しんでいたっけ
(あぁ…)
場所は人の行為に見えなくなっても、私は覚えている
何に嫌になったんだ。苦しんだんだ
未来はいつも大人が教えてくれた。私はずっと今に生きてきた
どんくさい私は何もかも
勘違いして
駄目にして
引きこもって
すがりつくしかなくて
(本当は何だろう)
携帯を持っていたあの子も、Twitterをやっていた彼女も、ブログをやっていた彼も、皆んな何処にいるんだろう
何人が生きて、何人が死んだんだろう
私は生きているけれど、誰とも胸を張って会話出来ないから、誰とも会わないようにずっと、同じ土地で呼吸し続けている
私は屋上に行きたかった
本やドラマや漫画
彼らの時代は開放されていたらしい
本当か?
彼らは一線を越えている
私もなにかを越えてきた
私は一体?
考える理由…
「わぁっ」
トラックが私の横を通り過ぎる
もう少しでぶつかりかけた
気をつけないといけない
たぬきが木の間から私を見ている
私が見るとたぬきは直ぐに木の向こうへと消えた
人が欲しい
人はすぐそばにいるのに